業務運営原則(プリンシプル)

1. 当社が考える業務運営の原則(プリンシプル)

今日の日本の金融業における最大の問題は、本来の「投資」の概念が歪められ、お金がお金を生むマネーゲーム的な「投機」を「投資」と混同する素地が歴史の中で違和感なく定着してしまった点にあると考えます。

そもそも「Investment」の訳語として、「投資」という漢字を充てた時点で誤解を誘引した可能性も否定できません。本来、英語のInvestは、In=中に、Vest=to dress、という語源から成り立っている言葉で、かつて立身出世のために青年が新調した服を着て社会に勇んで出ていった事からこの言葉は生まれた、といわれています。それは、夢と希望を叶える為に品格ある衣装を揃えるための最初の一歩という活き活きとしたリアリティ溢れる清廉潔白なイメージであり、ただサヤを抜くことだけを考える投機的マネーゲームの虚像や欺瞞の雰囲気はどこにも感じられません。

私達は、この昨今忘れ去られつつある「本来の投資(Investment)」をあらためて実現しようとの願いから、既存の証券業にはない形態のサービスを展開したい、との想いで創業しました。

では、本来の投資とは、何でしょうか。それは、投資家が手元の余剰資金を死蔵させずに有効に活用すべく社会に資する事業に投じ、その事業がこの投じられた資金と優れた経営によって成就・成長し、以って当該企業価値の向上によって資本が回収され、またその資本が新たな原資となって次なる有益な事業に投じられるといった、持続的健全な投資循環を形成することで、社会全体の幸福を実現することを指すと考えます。

そして、そのような投資を実現するには、余剰資本を持つ各々が、自ら調べ、自ら判断し、自らこの会社あるいはこの事業を応援し伸ばしたい、との想いを強くして、自らの責任で行動することが大前提であると考えます。私達は、そのような投資家を「自己責任投資家」と呼ぶことにしました。

自己責任投資家は、自らの責任で行動する投資家であるわけですから、証券会社の言いなりになったり、証券会社にお任せで投資することは無い筈です。そのような投資家が求める本当に必要なサービスは、自らが正しく判断できる「情報」や、自らが誤った行動をしないための適宜適切な「知識や知恵(アドバイス)」でしょう。具体的には、その事業が社会的な有為性があるのかどうか、その会社が健全に社会に受け入れられる素地があるのかどうか、その経営者は任せるに足る経営を行えるのか、等といった投資対象企業に関する適切な情報であり、また資本投下した後のポートフォリオを健全に管理するためのきめ細かいウォッチと、緊急時を含め対処すべき課題が生じた場合の適切かつタイムリーな資産保全対応のサポート等です。

私達は、このような「自己責任投資家」のために特化した証券業をめざします。いわゆる全方位型の大手デパート証券業とは異なり、自己責任投資家に専門特化したブティック証券業として事業を展開していきます。これが、当社の業務運営の原則(プリンシプル)です。

2. お客様の最善の利益の追求

自己責任投資家が必要とするサービスは、自らが判断できる適切な情報と投資後のきめ細かいサポートだと考えます。

このため、証券会社側が選定した特定の商品を推奨する従来型のサービスとは異なり、当社は自己責任投資を実行しうる適切な「情報」を提供することをめざします。

また、所定の資産規模以上のお客様を対象に、毎月外部の金融専門家を交えたポートフォリオ・ウォッチ・コミッティによる金融資産ドック(金融資産定期健診)を行います。個々のお客様のポートフォリオにおいて対処すべき問題が発生した場合には、当社よりアドバイスを行い、適切な対応をサポートします。

上記2つを主軸に、お客様にとっての最善の利益を共に追求します。この実現のため、従業員一人ひとりが高度な専門性と職業倫理を保持し、お客様に信頼されるフィナンシャル・アドバイザーであることをめざします。

3. 利益相反の適切な管理

金融業においてお客様との間に利益相反が起こる代表的な原因は、証券会社側の都合により「売りたい商品」を提案し、真にお客様が「買うべき商品」を販売しない、あるいはできない事にあったのではないかと考えます。

当社は、自己責任投資家に特化したサービスを展開することによって、お客様が自ら調べ、自ら判断し、自らの責任で行動することを前提にしています。このため、お客様の自己責任投資の実現をサポートすることに専念し、会社側から具体的な商品に関するプッシュ型の提案は原則行わない方針です。この結果、証券会社側の利益的都合が介在することを構造的に避けることを可能とし、以ってお客様との利益相反が発生しえない状況を保持します。

ただし、常に会社側とお客様側との間には利益相反が起こり得るとの認識のもと、その可能性を適切に把握・分析し、お客様にとって適切ではない取引が行われないよう管理を徹底いたします。

4.手数料の明確化

当社は、口座開設時に当社の「自己責任投資」に基づく方針をお客様にご理解と同意を頂き、その前提の中で当社の手数料体系をご提供していることを明示します。その上で、お客様のご納得とご判断が無い中では、口座開設自体を固辞させていただく方針です。これは、サービスと手数料に対する適切な理解と納得が無い中では、自己責任投資は全うできない、と考えるためです。このため、口座開設後も適宜適切に手数料については開示・ご説明を行い、お客様に誤解がないよう努めて参ります。

5. 重要な情報の分かりやすい提供

昨今の金融業において、お客様との間に情報の非対称性が生まれ、金融商品の販売に係る重要情報をお客様が適切に理解できない状況となる根本的原因は、金融商品が証券会社側の利益的都合によって複雑に設計されたことにより、お客様との間で利益相反を安易に誘発しうる構造的な欠陥にあるものと考えます。

元来、例えばシンプルな株式や債券の売買においては、商品そのものの複雑さに由来する情報の非対称性は発生しえません。ところが、オプション型の投資信託や仕組債、ラップ口座といった複雑なパッケージ商品に仕立てた辺りから、商品の中身が見えにくくなり、証券会社側に有利でお客様側に不利な利益相反が生まれる素地ができあがったものと思われます。

当社は、お客様が自ら調べ、自ら判断し、自らの責任で行動することを前提にしています。つまり、自ら調べることができず、自ら適切に判断することができない金融商品、すなわち商品設計に起因する情報の非対称性が発生する商品は一切扱いません。あくまで、シンプルに株式や債券、またはシンプルな投資信託をベースに、お客様が適切に自己責任投資を実現できる適切な情報の提供とサービスを行い、お客様が理解できない複雑な情報を必要とする取引を回避することで、お客様の利益を保全します。

6. お客様にふさわしいサービスの提供

当社は、自己責任投資家の皆さまが、自ら調べ、自ら判断し、自らの責任で行動することをサポートすべく適切なサービスを提供します。  このため、お客様とのコミュニケーションを大切にし、お客様のニーズを適切に理解し、適合性の原則に基づいたサービスの提供を行って参ります。

7. 従業員に対する適切な動機づけの枠組み等

当社は、お客さまの最善の利益を追求するためには、社員一人ひとりが高い倫理観とプロフェッショナリズムを保持し、顧客本位の業務運営を行うことが不可欠であると考えています。当社では、「顧客中心主義」の考え方を浸透させていくため、企業倫理やコンプライアンスなどの研修制度の充実を図ります。